現代社会で生き残る為に  ~何としても貴方自身をポートフォリオ化しなくてはならない~


貴方が資産家や芸術家でなかったとしても。

早急にポートフォリオを準備しなくてはならない。

明日のパンの為に。

 

 

ポートフォリオとは

 

ポートフォリオとは本来、複数の書類を保管する書類入れを意味する。

資産家はポートフォリオに資産の明細書を保管したので、金融の世界では金融資産の組み合わせを指す言葉になった。

一方、芸術家達はポートフォリオにデッサンやスケッチや作品の写真を挟んだ。

故に、芸術の世界でポートフォリオと言えば自己作品集を意味する。

 

金融と芸術。

分野は大きく異なるものの、殊更に言葉の意味を区別する必要もないと思う。

要は財産目録なのである。

 

証券や不動産権利書の個々だけを見ても、自分の財産の総額は把握出来ない。

故に資産家は、一つの書類入れに全ての運用資産の明細を保管し、構成状況を把握する必要があった。

芸術家達はもっと切実である。

パトロンや良師を獲得する為には、自身の実力をアピールしなくてはならなかったからである。

アピールの為にスケッチやデッサンを一枚だけ見せるのは愚の骨頂である。

その一枚がパトロン好みの画風とは限らない。

故に、作品集を常に纏めておき、パトロンに披露した。

自分の全ての作風を知って貰えれば、そのうちのどれかがパトロンの嗜好と合うかも知れない。

徒手空拳の貧乏芸術家達にとって、ポートフォリオは唯一無二の資産であった。

いや、自分の資産性を証明する数少ない手段だったのだろう。

芸術家にとっても、やはりポートフォリオは財産目録である。

 

 

つまり。

ポートフォリオ保有には二種類の目的がある。

一つは資産の把握。

そして、もう一つが自身のスキル・実績の証明である。

このエントリーでは後者について語る。

 

 

 

誰もが貧乏画家の様な立ち回りを強いられる時代

 

 

クリエイティブな業界への就業を試みる者は、大抵ポートフォリオを準備している。

デザイン業界、映像業界、広告業界など、実務に高いスキルや適性が必要とされる業界はそうである。

例えば、アニメ制作会社でアニメーターとして働きたい場合、採用基準は世間一般で持て囃される学歴ではなく「絵の上手さ」である。

(東京大学を首席で卒業していたとしても、絵を描く能力が絶無であればアニメーターとして働く事には困難を伴うであろう。)

当然、採用試験では「絵の上手さ」をアピールする必要があるので、ポートフォリオの持参が要求される。

 

web制作会社であればこれまで作って来たwebサイトを見せる必要があるだろうし、映像制作会社であれば制作映像の提出が求められる。

要は、「熟達した個々の技能が求められる」業界で承認されるには、成果物の披露が必要不可欠なのである。

 

 

 

問題は、諸々の社会構造の変化によって、現代社会が

「熟達した個々の技能が求められる」社会に変貌しつつある事にある。

 

学歴・資格を論拠にスペックをアピールし、新品の歯車として就社する事が求められていた時代は終わりつつあり。

技能・実績を論拠にプロ指数をアピールし、プロジェクトのメンバーとして事業参画する事が要求される時代が到来している。

島耕作的な肩書を獲得するのが上手な素人は、現代ビジネスでは邪魔なだけである。

 

現在の事業体は、ただ技能と実績を求めている。

 

(無論、無垢性を要求する事業体も多く存在する。

その要求の目的が何であるかを悟らぬ限り、労働者に解放の日は来ない。

例えそれが労働組合だったとしても、構成員に無垢性を求める組織に公正志向はない。)

 

結果として、芸術家以外の労働者さえも、「スキル・実績の証明」の為のポートフォリオを保有する事を求められている。

 

 

 

貴方の競争相手は、既に成果物を提示している

 

底辺は相談者の方に「成果物」と云う単語を連発する。

それが起業相談であれ就活相談であれ、必ず当人のスキル・実績を可視化させる方向で話を進める。

電子書籍やyoutube動画の話をしつこくするのは、それらが簡便な具現化ツールであるからである。

無論、Kindle書籍を出版した位でいきなり人生が好転する事などほぼあり得ない。

だが、誰もが自身のスキルの可視化を試行錯誤している時代において、自分だけが何も現さない事は死に繋がる。

何度も何度も繰り返して恐縮だが、IT革命以後の世界では通信コストが激減している。

一つの企画・事業への参加希望コストが昔とは全然異なるのである。

 

底辺でさえも、関西人の底辺でさえも、発注者の立場を取る時は北海道や大分やカナダの人間に仕事を依頼している。

同じ関西人にではなく、である。

何故か?

その仕事に必要なスキルを持った人間を全世界から選択可能(通信コストの激減に拠る)であるからである。

そして、採用基準は、当然これまでの実績と当人の技能である。

では、実績・技能をどうやって判別するのか?

各員が提示するポートフォリオを見て判断するのである。

 

成果物を公表する手段がある業界に居る人間は、今からポートフォリオを纏めておかなくてはならない。

そうでなければ、誇張抜きで淘汰される。

 

士業や料理人、工員や鳶土工も例外ではない。

遠くない未来、グーグルが「Google Cook」「Google Blue」を実装する。

グーグルがやらなくても、グーグルやアップルをクビになった人間や入社志望の者が必ず作る。

底辺如きが思いつく事は、誰でも思いつくし誰でも実現出来るからである。

 

だからこそ、成果物を具現化可能な者は今から準備しておいて欲しい。

リアル世界であれば、一つのファイルに纏めて。

ネット世界であれば、一つのurlに纏めて。

何時でも自分をアピール出来る様に心掛けて欲しい。

 

 

貴方の素敵なデッサンを私も見てみたい。

 

 


 

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10件のコメント

  1. Name *

    お金になる成果物が数点できて、漠然とポートフォリオでも作ろうかなぁと思っていたところでした。
    早速ポートフォリオ作成に取り掛かります。

  2. Y.H

    芸術系の仕事なので身に染みます。
    モノづくりは手間と時間がかかるので、1案件ごとに「このジャンルで最良のものを作る」という気持ちで取り組んでいます。
    サラリーマンだから磨けるスキルを、今のうちに磨ききってポートフォリオに反映させたいです。

    話題は少し変わりますが、商品陳列と同時にパトロン探しも重要かと思います。
    (ポートフォリオの構成にも関係すると思うので)
    「探す」という段階で原理原則などありましたら、簡単にでもコメントいただけますか?

  3. 幸福賢者

    日本企業の多くはまだまだ、個人スキルより無垢性を求めている気がしますね。
    卓越した熟練者より、無能だが忠誠心の厚いリーダーを評価する土壌は変わっていません。

    出る杭は打たれるが、目立たないと使ってさえもらえない。
    なんとも矛盾した話です。

  4. teihen

    12:24様へ

    素晴らしいです。
    絶対に無いより有る方が良いので、少しずつ強化する様に心掛けて下さい。



    Y.H様へ

    パトロン探しのコツは、自分と同スキルの人間(出来ればその業界で最も成功している者)の買い手をチェックする事です。
    勿論、今居る業界がBtoBなのかBtoCなのかによっても立ち回りが違ってきますが。
    エンドユーザーを直接相手にする以外に選択肢のない世界であっても、どのみちエンドユーザー用のポートフォリオは必要となります。
    (コンテンツを漠然と売るよりも、ファンを育成した方が販促になります。)



    幸福賢者様へ

    それに関しては、国民性ではなく給料形態に拠るものです。
    成果ではなく拘束時間に賃金が支払われる場合、どうしても集約労働の在り方に近づいてしまいますので。

    つまり逆に言えば、成果物を販売する様なスタイルを確立すれば、その時初めてスキルが売れる様になってくるのです。

  5. met

    フリーランスのプログラマ→キュレーションサイトで脱サラする人について行き専属プログラマ→最近内紛が続き法人解散の危機なので転職に備えなくてはと焦っています。

    耳が痛いですね。

  6. teihen

    MET様へ

    プログラマーの様な技術職の方はより多くの人間に技能を知って貰う必要があります。
    買い手が多い方が立場は強くなりますので。

  7. Name *

    その点infotopのスパムメールはすごいですね。何度BANしても気づいたらまた来てる。

  8. teihen

    9:04様へ

    そこと楽天は本当に酷いですね。

  9. Name *

    エントリーと全く関係ありませんが、今確定申告と青色申告と消費税申告を一気に消化しています。

    毎度、毎度、毎度のことながらこのギリギリのタイミングで絞り出されるエネルギーはどうしてこうも力強いのか呆れる反面、己に驚きます。
    思えば事業を起こした時も倒れかけた時も同じでした。
    火事場の糞力でブザービート。
    少年漫画なら最高潮の流れですが今の私は非常にしょっぱい気持ちでいっぱいです。

    ケツに火を付けずにこのパワーを常時展開する方法はないものかと思い書き込んでみました。

  10. teihen

    5:42様へ

    確定申告しんどいですよね。
    私は数字が苦手なので辛いです。

    ただ、現行の制度は。
    戦前の税務署が利益を推定して納税額を決定する方式に比べて、遥かに事業者有利ですので。
    お互い、恩恵を噛みしめて勤労・納税に励みましょう。

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