1、サラリーマンは滅ぶ。 2、武士や騎士がそうであったように。 3、そして、サラリーは武士や騎士の手にのみ戻る。

無題ffii


結論から言えば、サラリーマンは滅ぶ。

最終的には、「サラリーを受け取る事が出来るのは兵士だけ」と云う原初の形に回帰するであろう。

 

 

知行制は何故廃止されたのか?

 

明治維新によって社会は大きく変貌した。

雇用システムも同様である。

吏僚に支払われる報酬も知行制から俸給制へ移行した。

明治官僚達はこの違いを老いた親戚に理解させるのに苦労したと言われる。

(老母達は息子が仕官任官に成功して、『家格が上がった!』と無邪気に喜んだのである。)

 

無論、俸給は知行とは全く異なる。

行は家に与えられる物(これを最後まで理解出来なかったのが家の恩恵を知らずに育った秀吉であり、その反動として天下を獲った徳川家はより固陋な封建体制を作らざるを得なかった)だが、

俸給は個人に対して支給されるものである。

元々、蔵米知行システムに依存して実際の統治経験・能力を持たない武士達は、浪人か吏僚身分に落ちる羽目になる。

(だからこそ原始的な封建システムで成り立っていた薩摩では西南戦争が発生したのである)

 

雇用者の目から見れば、コストは家ではなく労働者本人のみに掛けた方が良いに決まっている。

一人の騎士に対して、一族と郎党(中間・小物含む)を養う為の人件費を掛けるのは相当な出費であるし、マスケットや機械産業が出現した時代においては無用な出費に過ぎない。

 

かくして武士は…

いや、家禄の概念は滅びた。

知行制はペイ出来くなったからこそ滅びた。

侍魂は我々個々の胸中のみに残る。

 

前フリ終わり。

 

 

 

ではIT革命は何を滅ぼすのか?

 

 

産業革命が「近世の雇用システム」である知行制を滅ぼした。

(これは底辺の私見。 そんな学説が存在するか否かすらも知らない)

マスケットが騎士の給与形態を文字通り打ち砕いたのである。

 

さて、IT革命は何を滅ぼして、インターネットは誰の給与形態を打ち砕くのか?

である。

尤も、これは貴方も言語化していないだけで既に理解している事だと思う。

 

IT革命は「20世紀の雇用システム」である給料性を押し潰そうとしている。

インターネットはサラリーマン(最終的には公務員も含む)の給与形態を打ち砕くのである。

 

 

マスケットがあれば百姓でも騎士を殺害出来るようになったように、

ネットがあれば子供でも専門知識を引き出す事が出来るようになった。

専門知識の販売者・紹介者の市場価値が下がるのは致し方ない。

例えば、かつては行政書士に依頼していた法人登記。

今では、オンライン上においては印紙代のみの支払で登記出来てしまう。

ネットと云うマスケット銃が書士と云う名の騎士の何%かを文字通り撃ち殺しているのである。

 

 

この構造を解説すると、IT革命によって情報の習得コストが格段に下がった。

カエサルの議事録発表によって元老院の権威・支配力が損なわれたように、

活版印刷の発明によって聖職者の社会的地位が下落したように、

ネットによって、多くの労働者・事業者の商品価値が下がった。

特に、今まで「ホワイトカラー」と呼ばれていた、事務・伝達奴隷は囲うには餌代がペイ出来なくなった。

(我ながら酷い表現である)

人間をビジネスに常駐させる必要がなくなったのである。

何故なら、ネットで部分部分の仕事を引き出せる(データベース・アウトソーシングの受発注)様になってしまったのだから。

結果、社会の維持に必要な労働者の数は激減した。

たったの数世代前はあれだけ人不足であったのに、今は余っているのだ。

(たまに「うちは人が集まらない!」と喚いている経営者が居るが、単に彼が人を雇う才器を持ち合わせていないだけである。 

中世ならボンクラ君主はそれだけで殺されたのだから時代に感謝するべき。)

すると、我々が考える「雇用」の必要性も薄れる。

現状、雇ってまで人間を用いる必要がないのである。

情報の取得コストがこれだけ下がったのだから仕方ない。

労使双方の情報価値は、それは下がる。

 

 

 

これからの時代の話

 

 

冗長な前置きをして申し訳なかった。

つまり世の多くの職場の存在意義が激減し、残った職場にも人間を半生囲っておく程の需要はなくなってしまった。

と云うだけの話である。

給料制とは、将来発生するであろう仕事・作業に対して人員を確保しておくシステムであるが、

前述の通り、ネットインフラの発達によって、「仕事」は全てジャストインタイムで賄えるようになってしまったのである。

マスケットの発達が騎馬保有と騎士の身分保障を不要にしてしまったように、

ITインフラの発達は人員囲い込みとサラリーマンの身分保障を不要にしてしまったのである。

それがマトモな新卒求人(労働者を搾取対象としない)が激減した理由である。

これからもっと人員の囲い込み需要は減る。 

何故なら、次の世代の経営者は皆デジタルネイティブであるからだ。

 

 

仕事の在り方もそれに併せて大きく変わる。

連絡コスト・調達コストがここまで低下してしまうと、作業をする人を囲っておくコストよりも、作業毎に労力を調達するコストの方が安くついてしまう。

従って労働者もどこかの時点で損益分岐点が逆転する。

誰かに囲われるよりも、多くの顧客に営業を掛けた方が儲かる時代が、いずれ本格化する。

(今は歴史の分岐点。 業種によっては既に未来は到来している。)

一定の閉鎖性が求められる業界以外の多くはオープン化するだろう。

そこでは、99%のやる気乞食が1%以下の労働販売者に対して不毛な戦いを強いられる。

 

 

 

具体的な対策

 

 

では、そんな時代をどうやって生き残ればいいのだろうか?

一つは1%以下の労働販売者(パーツとして売られている労働に固有の高付加価値を付けられる者を指す)を見つけてその者の下についておく事である。

今以上に労働がパーツ売りされる時代になれば、トップの人間は今以上の仕事量を抱える事になってしまうからである。

そして、トップ職人が自身に対してのマネージメント技術に関しては持ち合わせていない可能性もある。

つまり、請ける仕事に関しては100%のコスト計算が出来るに関わらず、自分自身のトータル損益勘定能力までは持ち合わせていない場合である。

このケースでは最初に懐に飛び込み、尚且つ気に入られた者のリターンが膨らむ。

 

もう一つの対策は、前述した「一定の閉鎖性が嫌でも求められる業界」に入る事である。

それがサラリーマンの起源となった「兵士」である。

(サラリーはラテン語のサラリウムを語源とする。 社会構造が不安化し、貨幣での給与支給が困難となった末期ローマの兵士は俸給を塩で支給された事から、サラリーは俸給を意味するようになった。)

警察官や海上保安官を含めても良い。

要は、本来俸給を受け取るに値する防衛・防諜・治安分野に吏員として入る事を推奨している。

もっとも、これは向き不向きの要素が大きいので強いるつもりはない。

ただ、注意深く情報をチェックしていればそれら主要三分野の非体育会系要員の募集も意外に多い事も伝えておく。

現代戦では後方支援要員の方が人数を必要とするからである。

有名なところでは米軍の空母ジョージ・ワシントン(アメリカ国外の基地を事実上の母港《横須賀》として配備される唯一の空母である)の乗員のうち三分の二は後方支援要員である。

この事実をヒントとして欲しい。

 

底辺は、最悪の財政状況であれば安定した俸給は武官のみに支給するべきだと考えている。

武官以外の叛逆行為は全て武官に鎮圧させれば良いからである。

謀反人の没収資産を国家と武官が折半すれば、歪ながらも次の安定秩序の母胎を作る事が出来る。

 

荒事を好まぬ人は、今から1%の天才に私淑・師事する準備を整えておいた方が良い。

 

 

 

余談

 

グーグル社員を筆頭に今のIT産業の従事者達には、学生時代にいじめを受けていた者が多く、彼らの多くは社会に対して強い復讐心を持っている。

彼らは意図的に既存の社会構造を破壊しているし、破壊者・支配者として横暴(だが合法)を尽くす事で汚された青春を取り戻そうとしている者も散見出来る。

故に、IT化による大多数の窮乏と云う図式はこの先も進む。

かつての革命的プロレタリアート以上に、今日の革命的ギークは圧政者の資質を秘めている。

そして彼らの復讐が既に世界中で大きな成果を挙げている事も周知の通りである。

彼らの目的はカーストピラミッドの逆転であるので、肉体労働と学歴と暴力行為に関しては今以上に貶められるだろう。

貴方は、この流れに対してせめて心構えだけは怠らないよう留意しておいて欲しい。

 

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14件のコメント

  1. 匿名

    なるほど、このエントリでは具体的な対策として、労働販売者の下につくか、又は閉鎖的業界に入るかの二択であるかの如く言い切っておいて、
    どっちも楽しく無さそうだと思わせ、底辺君の推奨する第三の選択へと誘導しようというわけだな

  2. 多那

    >底辺は、最悪の財政状況であれば安定した俸給は武官のみに支給するべきだと考えている。
    >武官以外の叛逆行為は全て武官に鎮圧させれば良いからである。
    >謀反人の没収資産を国家と武官が折半すれば、歪ながらも次の安定秩序の母胎を作る事が出来る。

    これって完全に弱肉強食の秩序じゃないですか。。。底辺氏は新自由主義者なのでしょうか?

  3. アマカナタ

    Googleは性的表現に過剰に反応してアドセンスを停止してきますが、あれはオタク特有の潔癖症に由来しているのかもしれませんね。彼らの倫理観が次世代の倫理観となる証左ですな。

  4. 匿名

    だからGoogle大先生はいじめられっこだった僕が好きそうな物を作ってくれるんですね(笑

    映像制作業ですが、安価な写真の切抜きサービスやネット上でコンペするロゴ制作サービスなど見かけるようになりました。従来なら、囲い込まれたデザイナーの業務範囲にあたる筈です。
    さらに細分化が進み、特化した技能を不特定多数に提供する。
    この場合はサイト運営者が労働販売者、作業員がやる気乞食といった所でしょうか?

    しかし、BtoBで利用する者としてはクオリティや納期などが担保されるか、言い換えれば信用性があるか心配でもあります。
    そのニーズに対して、ブランディングでクローズドに信用性を高めるという手法もあるかと思いますが、これも閉鎖性の求められる業界の一種と捉えても宜しいでしょうか?
    可能な範囲で、想定していた閉鎖性の求められる業界を教えていただけると理解が深まります。

  5. teihen

    11:17様へ

    選択肢は100%選択ではなく、シェア比の調整で考えて下さい。
    つまり、「徒弟か?起業か?」ではなく
    「徒弟6割・起業3割・公的雑務1割」
    と云うようにです。




    多那様へ

    世界は常に弱肉強食でした。
    問題は、現在の弱者には肉の価値すらなくなりつつある事なのです。
    この現状を踏まえて、何とか突破口を見出しましょう。



    アマカナタ様へ

    私もそう思います。
    土井利勝が髭を剃ったら江戸大名全員が髭を剃ったように、支配者の価値観・美意識は時代のスタンダードとなりますよね。



    7:55様へ

    《映像制作に関して》

    若い頃から才能が知られていて名前だけで仕事が来るレベルの名人が労働販売者だと思います。
    やる気乞食(本当に酷い表現ですね)は必死に業界に就職しようとしたりしている方の事です。


    《閉鎖性》

    有名な所ではクリーニング業界ですね。
    「地味なんだけど実は儲かる業界」は、その旨味を守る為に本能的に閉鎖します。
    海運とか原油商社もそうですね。


    信用性に関しては、「今、不安定であること」こそがビジネスチャンスなのです。
    今、信用性を確保する手段を身に付ければ、この上ない差別化となるでしょう。

  6. 1000$

    法人登記は司法書士ね。
    行書でも法務局に依頼人連れて行って本人申請の体をとるなりしますが。
    どのみち、法人印の登録もせにゃならん。
    一度はおいでませ地方法務局。

    閉鎖性か…書士業界もそうなんですかね?
    行書は除く気がしますが。

  7. teihen

    1000$様へ

    本当ですね修正しておきます。


    でも、ネット発達したら、書士の価値は薄れるとは思います

  8. 1000$

    目指せプチ政商(遠い目

    士業アウト!といえば元google社員が作ったfreeeですかね。
    記帳業務を行う古いタイプの税理士行政書士はトドメをさされました。
    freeeはアドバイザーとして士業の募集かけているので、逆に囲い込まれております。

    治安防諜で警察官を挙げておられたので、公務員も含むとなると
    警察職員もありかと思います。年齢制限ありなので若い方ならぜひ。
    もちろん自宅待機や結婚制限はありますが。

  9. 行き先不明

    結局はコネを作れと言うことでしょうか?

    当方アホ営業マンなんで。

  10. teihen

    1000$様へ

    google人材は、もっとやらかしてくれると思います。
    多分、全ての営業マンの廃絶を目論んでいる時期ではないですかね。



    行き先不明様へ

    自分の専門分野・得意分野で、
    「明らかに卓絶した才能で自活出来ている人間 (運や相続ではなく才覚が飛び抜けているタイプ)」
    を見つけて師事するようにしておいて下さい。
    それこそが最高の保険となります。

  11. 行き先不明

    底辺様は何でも屋なんでしょうか?
    コンサルタントを名乗られてますが、個別にコンサルビジネスをやっているのですか?

  12. 匿名

    〉「明らかに卓絶した才能で自活出来ている人間 (運や相続ではなく才覚が飛び抜けているタイプ)」

    「ベルセルク」のグリフィスが真っ先に思い浮かびました(笑)

  13. teihen

    5:37様へ

    私はジュドーやセルピコが思い浮かびます。

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