頭が良い(と自分で思ってる)のに仕事が出来ない人へ

07071804


裏路地をスポーツカーで疾走する行為は極めて危険である。

壁に衝突するかも知れないし、人を轢いてしまうかも知れない。

大部分の者にはそれが解っているから、路地を走行する時は徐行する。

不必要な場面で速度を誇る者を我々は『運転が上手い』とは言わない。

寧ろそれは愚者以外の何者でもない。

 

さて、頭の良し悪しの話をする。

 

 

 

愚者は誰なのか?

 

 

無論、頭の回転が速い事は欠点でも欠陥でもない。

愚鈍である場合に比べて、頭の回転が速い方がマニュアルやノウハウを早く習得可能であるし、咄嗟にトラブルを回避する事すら出来る。

その為か、成功者には頭の回転の速い者が多い。

 

そして、頭の回転の速い者には2種類の人間が存在する。

頭の回転数を早める能力を持った者と、高速回転でしか頭を動かせない者である。

後者は冒頭で裏路地のスポーツカーの様な存在で、一般的には愚者と呼ばれる。

普通、頭のギアは状況に応じて上げ下げする事が要求される。

急ぐ場合・仕事が多い場合・事情が急変した場合・大人数を相手にする場合は頭を高速回転させる事が求められるし、

初心者に物事を解説する場合や子供の相手をする場合は、少しギアを落とす事が求められる。

それが出来ない人間は、周囲から疎まれて損をしている。

頭が良いのに周囲と上手く行かない人と云うのは、このパターンで失敗しているケースが非常に多いように感じる。

 

底辺が結婚相談所事業の売買に絡んでいた話は以前したと思うが、資産家の医者であるにも関わらず全てこのパターンで失敗する人が居た。

初対面の女性相手に捲し立てる様に話し、相手の発言を途中で遮って持論を展開する。

更には周囲に自分と同じペースを強要する。

あまつさえ、相手を『頭が悪い』と断定する。

当然、女性は嫁ぎたいとは感じなくなる。

本当に頭の良い人は、TPOに合わせて頭を回転させる。

ギアを落とさなければ不可能な会話も世の中にはあるからである。

 

 

 

自分の脳を細分化・棚卸出来る人間のみが賢い

 

 

今回のエントリーは、頭の良さにも色々な種類があって、状況によってはそれを発揮する事がマイナスにすらなり得ると云う趣旨である。

自分を頭が良いと錯覚している人間の大多数は、ごく一部分の優位点のみを自身の優越の論拠としているケースが多い。

例を挙げるなら、以下の通りである。

 

・記憶力が良い

・数字に強い

・言語力が高い (多くの場合、生育環境の恩恵。)

・知識が豊富  (後天的要素。 他に取り得が無いなら優越感よりも危機感を持つべき)

・物覚えが早い

 

これらは、頭の良さを構築する要素の一つに過ぎず、部分部分に秀でている事は『頭が良い』証明とはならない。

(無論、秀でている事に越した事はないのだが。)

頭が良いと自分で思っているのに仕事が出来ない人の多くは、殆どの場合この辺りを整理出来ていない。

整理出来ていないから、瞬発力を要求される場面で記憶力の使い道を探ったり、同調能力のみが問われている場面を即応性で乗り越えようとして失敗する。

どんなにカンナ掛けが得意な大工でも、カンナで材木運びを試みれば失敗するに決まっているし、その結果周囲にアホ扱いされるのは仕方のない事である。

 

『頭の良さ』とは、その場その場で求められる部分を察した上で発揮する力である。

(無論、部分部分のスペックが不足していると事態に対応出来ないのだが…)

 

もしも、自負心程に仕事が出来なくて苦しんでいる方が居られるのならば、まずはその場その場で何が求められているのかを察知する能力を磨かれる事を推奨する。

その能力が無いのであれば、極力『学校の勉強的』な人間や状況を相手にせずに済む職を探される事を推奨する。

 

仕事の数は星の数だけある。

(その種類は意外に少ないのだが。)

自身の適性と合致した仕事に従事すれば、検索でこんなサイトに辿り着く程悩む必要もなくなる。

そして、その為には、自分の能力を細分化し精査する必要がある。

 

頭の良さは、まず自分の頭の悪い部分を発見する為に使うべきである。

自分の愚かさ具合が解らないのであれば、残念ながら貴方は愚者だったと云う事なので、素直に愚か者としての人生を受容するべきである。

それは人間として極めて自然な生き方である。

どうしても己が愚者である事に納得できないのであれば、まずは内なる欠陥を全て見つけた上で、その欠陥部分を晒さずに済む環境に移動する事が好ましい。

 

 

 

頭が良い(と自分で思ってる)のに仕事が出来ない人へ

 

 

底辺はその思考に至った貴方を全くの愚者だとは思わないし、嘲笑する気もない。

ただ、幾人の方からの真摯な相談を受けるうちに、原理を明文化して遺しておく必要を感じただけである。

繰り返すが、貴方を嘲弄する意図を持ってこの文章を記した訳ではない。

 

まずは自分が「頭が良い」と思い至った論拠を書き出して欲しい。

書き出すうちに、脳機能のどの部分が優れているかが浮き彫りになる筈である。

或いはどこが劣っているのかも。

これ以上は解説する必要もないのだが、それが貴方が上手く仕事をこなせていない理由である。

 

そして語弊を怖れずに言おう。

悪いのは仕事や上司や社会や時代であって、貴方はたまたま適性のない職場に居るだけである。

親和性のある場所に移動する事が出来れば、少しは楽になれる。

自分の愚かさを受容したとしても、やはり楽になれる。

今の貴方はそんな状況に在る。

 

底辺が不特定多数である貴方に言える事はここまでだけである。

これ以上は個々の問題となるので掘り下げない。

 

自分を精査し、劣った部分を直視して欲しい。

自ずから、他者の優れた部分も見えてくる筈である。

昨日まで貴方が『頭が悪い』と断じていた同僚の長所も目に入って来ると云う事である。

その隣人の美点(それが倫理に背いていなければ)を大いに賞賛し尊重してみて欲しい。

相手が自分よりも立場の弱い人間であれば、尚そうするべきである。

 

貴方に難しい要求はしない。

ただ、自分自身も含めた人間の美点長所に優しく接して欲しいだけなのである。

「やさしい」「すぐれた」と云う時として相反する言葉に同じ「優」の文字を当て嵌めた先人達の思慮を我々が汲み取り後世に遺そうではないか。

 

 

 

                                   愚者底辺敬白

 

 

 

 

 

おまけ  【サーストンの多因子説】

1.言語理解………言葉を使う能力
2.語の流暢性……なめらかに話す能力
3.数………………計算などの能力
4.空間……………空間的関係の理解
5.記憶……………記憶する能力
6.知覚速度………知覚するスピード
7.推理(帰納)…推理する能力・法則発見能力

 

アメリカの心理学者ルイス・L・サーストンは人間の性格構造や知能は7種類の要因によって構成されているとの学説(多因子説)を発表した。

この学説は大々的に支持され、現在の知能検査の論拠となっている。

 


 


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11件のコメント

  1. 匿名

    ああ痛い。
    底辺氏はなんでも解っていらっしゃる。しかも優しい。
    職場等、人間関係の中で、頭が良いと言われることは
    当たり前ながら、決して褒め言葉ではない。
    この真理に、不惑を迎えて、恥ずかしながら、ようやっと自覚しました。
    小生の解決策は、相手の頭の良し悪しを断じて判断せず、情動を観察することでした。
    そのためには、人と接する時、穏便すぎる言葉を使いながら、
    あえて頭の回転を落とし、反応を鈍くし、愚者と思われることをいとわず、
    相手の観察に徹することでした。
    でも、これ。
    出来る人は小学生でも出来るんですよね。
    結局の原因は、自尊心の欠如だと思えます。
    まさに四十にして惑わず。愚者は、一歩一歩進むしかないですね。
    老害の小生の繰り言ではありますが、後進の皆様もくれぐれもご注意召されよ。

  2. Y.T

    職人気質なので、ついつい路地裏でアクセルを踏み込んでしまう愚か者です。
    気遣いはしているのですが、底辺様が以前お話ししていた「失敗を好む者には失敗談を」に徹することが出来ません。特に、他者の行動力と勉強不足にイラつくと、コントロールしきれなくなります。日々、訓練しかありませんね。

    >匿名さま
    年長者でもその様にお悩みと知り、少し安心しました。アドバイスに従い、まずは情動の観察に努めさせていただきます。

  3. 匿名

    監督(の所以)で勝つ試合は存在しないが、監督(の所以)で負ける試合は存在する(by坂東英二)
    という感じですな

  4. 匿名

    勝ちに偶然の勝ちあり、負けに偶然の負けなし
    (by野村克也)もありますね。

  5. teihen

    12:15様へ

    今回のエントリーは私の様な若造がこんな文章を書いて良いのか悩みながら書き綴りました。
    (こういう趣旨の文章は最低でも50代以上にならなければ書く資格が無いと思います)
    ともあれ、みな愚かなので、みなで少しずつ前進していきましょう。


    Y.T様へ

    他者の努力不足に苛立ってしまう気持ちは理解出来ますし正当だとも思います。
    ただ、その怒りのエネルギーは自身を向上させ裕福化する為に使用して下さい。


    9:11様・6:34様へ

    坂東・野村の両氏はライフハックの教科書の様な存在です。
    機会があれば、再度彼らをモチーフにした記事を書いてみたいです。

    http://urx.nu/idCd

    http://urx.nu/idCg

  6. 1000$

    頭悪いのは知ってるがどうしようもねえ。
    なんせ頭が悪いから解決策も思いつかないのである。

  7. teihen

    1000$様

    思い付かない場合は、成功者の取って来た解決策を出来るだけ多く収集して、自分の現状に合致する方策を検討して下さい。

  8. 百姓の奇妙な冒険

    こんばんは。毎回記事を楽しみにしています。

    前回はわざわざ返信ありがとうございました。
    自分では思いつかなかった切り口だったので
    大変参考になりました。

    あれから考えてみましたが、やはり日常が暇過ぎたり、
    今後が漠然と不安でギャンブルの嗜癖行動に出てるのだと思うので、
    行動を減らすorやめる方向で考えようと思います^^;


    前回・今回と引き続き能力に関するエントリーを
    底辺様が投稿していたので、自分がこれから
    どうすれば良いかをお尋ねしたいと思います。

    それは、今後自分がどのような能力に
    時間を配分していけば良いかという事です。

    自分の状況は現在、父親が自営業で、それを軽く手伝い
    生活費を貰っています。拘束時間は短いです。
    ただ、フリーターをやってるよりかはおそらく貰えてます。

    このような状況下では下手に時間給で誰でもできる作業を
    やるよりも何か持っている時間を知識や技術に変えておいたほうが良いのか?
    と思うのですが、何をすれば良いかイマイチつかめません。

    正直申し上げますと、恥ずかしながらも
    半分ニートにのような暮らしを送っています。
    (10代の頃身体を壊して既存の正社員レールに乗り損ねました。
    現在も体調的に7割~8割くらいのパワーしか出せそうにないです。)

    以前、底辺様が投稿したニート関係の記事を参考にして
    ①身体を鍛える・スポーツをする
    ②学問をおさめる
    ③サロン芸や恋愛をする。
    といった方向性を考えています。
    (現在はスポーツクラブに通い、父の手伝いに関して必要な知識、
    その他興味のあることを調べて日常学習しています。)

    しかし、そうすると世捨て人のような方向性に
    なりそうなので、やや不安です。
    アルバイトでも良いから働いて社会参加した方が良いのか?
    それともボランティアや趣味のサークルにでも属した方が良いのか?
    王道ニートとして能力を高めていくのが良いのか?
    色々想いを巡らせますが、こんがらがっています。

    何かこの状況を見て思いついた事がありましたら、
    簡単で良いのでアドバイスを頂けると嬉しいです。

    ※現在私の実家の家計は簡単な経理もやってる関係でわかるのですが、
    親が健在の内は大丈夫そうです。ただ、先代が築いてきたものを引き継いで
    食いつぶして一生を終えるような事はしたくないので、非常に悩んでます。

  9. teihen

    百姓の奇妙な冒険様へ

    貴方の年齢にもよりますが、まずは御父様の仕事を真剣に手伝ってみて下さい。
    加えて、「その業界での第一人者・トップは誰か?」を今の間に調査しておいて下さい。

    貴方の状況で、何を身に着けるべきかを考えれば、間違いなく家業の修得です。
    そして、この先家業を継承するにしてもしないにしても、その業界のトップの仕事ぶりは必ず学んでおいて下さい。
    一番には必ず理由や根拠があり、そこから学ぶ事が無益である筈がないからです。

  10. 匿名

    陳宮につられての連想ですが、

    ・合理的・現実的・柔軟な思考
    ・世間の因習に囚われず、その先を見通す眼力
    ・「個」として生きる覚悟と胆力に裏打ちされた縦横家的言動
    ・相手を見極め、相手の望む、相手にあった策を授け、自己主張を押し付けない謙虚さ
    ・常に分を弁え、野心を面に出さず、相手に無用の警戒心を抱かせない
    ・世俗的な欲が希薄で、恬淡としているにも拘らず、乱世で妙に生き生きしていること
    ・ドライに見せつつ、実は義理堅く、受けた恩を忘れない

    底辺氏=賈詡と捉えると、私としては非常に座りが良いです。
    機略縦横、かつ才気走らず、そして絶対に主の寝首をかかない(ここは最重要)。
    主君として、信頼でき、なにより最も「安心」できる謀士ですね。

    もちろん、上記はすべて私の勝手な偏見です。

  11. teihen

    1:14様へ

    人間は文章では幾らでも立派な発言を出来ますし、
    安全な場所では幾らでも勇敢な義人を装えます。
    そして、私の発言は所詮安全圏からテキストと云うフィルタを通して放たれているものです。
    故に、この様な口舌の徒だけには「安心」しない様に心掛けて欲しいのです。

    私は未だ何の貢献も出来ておりませんし、誰も救えておりません。
    故に信頼に値しません。
    どうか貴方自身の為にも私を疑って下さい。
    猜疑は必ず身を助け、信頼は必ず身を亡ぼします。

    これが私が貴方に捧げる精一杯の献策です。

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