今回のエントリーは前回のエントリーである、「コミュ障が上司や先輩と円滑な人間関係を築く方法」と多少の重複はある内容である。
前回が従業員向けの内容だったのに対して、今回は小規模事業者や起業希望者向けを意識して執筆してみた。
紛らわしいタイトルを付けてしまって申し訳ありません。
御詫びに話の面白さの公式を書き残しておきます。
会話力 = 会話センス × 同調圧力
↑ 会話力はこの公式で算出されます。
この場合の同調圧力とは、資産量や喧嘩の強さや美貌の要素を指します。
金持ちや美人なら披露した冗談がつまらなくても、周囲がヘラヘラ追従笑いしていますよね?
あれは冗談が面白かったから笑っているのではなく、相手の機嫌を損ねたくないから必死で周囲が同調しているのです。
その良し悪しは置くとしても、会話の上手さ・面白さは発言者の力量に大きく左右されます。
多くの人間は自分が嫌っている相手や侮っている相手との会話で真摯に発言を受け止めてはくれません。
よく言いますよね。
世の中では「何を話したか」、ではなく、「誰が話したか」で発言が評価される、と。
話が上手くなりたいなら、自分を冷静に分析して会話センスと同調圧力のどちらを向上させ易いかを検討して下さい。
ブランド物のスーツを身に纏っただけで周囲が話を聞いてくれるようになる事も多々あります。
大抵の人間は他人の話なんて真面目に聞いてません。
笑った方が有利だと本能が判断すれば、本心では退屈していても下卑な笑顔を浮かべますし、
肯いた方が得だと経験が急かせば、理解していない説明に対してでも真剣な顔で肯首します。
会話の巧拙など、この程度の要素で簡単に左右されてしまうものです。
もしも貴方が苦悩しているとすれば、それは貴方が真面目な方だからです。
それは欠点ではありませんが弱点となり易い点なので、他人に付け込まれない事に専心して下さい。
会話を無難にこなしたいのなら、徹底して「聞き手」に回って下さい。
意識して追従者を演じても構わない位です。
人間の影響力が平等である訳もないので、皆が周囲に同調圧力を与えるだけの力量を備えている訳がないです。
同意や共感を無意識に強要する能力が無いならば、その手段を有する人間に自分から同調しましょう。
それが、「会話が上手くなる方法」です。
そして、御自身の年齢や地位が上がって自然に同調圧力を身に付けた時は、自分が嫌だった事を相手に強要しないようにしましょう。
それだけで周囲は喜びます。
それが、「会話を面白くする方法」です。
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本題に入る。
起業コンサルタントとしての底辺は営業至上主義である。
「空いた時間や労力は全て営業に注ぎ込むべき」
とさえ考えているし、自分で保有している卑小なビジネスでさえもそうやって運営している。
その趣旨に沿った話では、必ず相談者の方からの反論が起こる。
「私は話が苦手なので営業は無理です。」
と。
「話が苦手」と仰る方の言い分に耳を傾けていると、
皆が一様に、如何に自分が訥弁で内向性が強いかを朗々と雄弁に解説してくれる。
底辺が「客先でそれ位語れば良いのでは?」と一言疑問を呈すると、
こちらのコメントを遮って、コンサル相手の会話と顧客相手のそれが如何に異なるかを饒舌に情熱的に説明してくれる。
気持ちは判らないでもないが、得手不得手に関わらず、起業するならば何らかの形で起業者本人による営業が必要になるし、
自分の言葉で説明したり説得したり謝罪する場面はいずれ発生する。
結論から言えば、貴方が講談師や演説家を開業する場合でも無ければ、
「話の上手さ・面白さ」を追及せずとも良いし、引け目を感じる必要もない。
営業力とトーク力に世間が思っている程の相関性はない。
見渡してみても、営業職に要求される話術レベルと業務の詐欺具合は正比例している。
ギミックを冷静に観察されると契約に至らない商売程、営業マンの話術は巧妙である。
貴方が、デート商法や催眠商法で荒稼ぎしたいのなら、真面目に話術を勉強してもいいかも知れない。
無論、底辺は貴方がそれらを生業とする事を推奨しない。
顧客 「もしもし」
底辺 「はじめまして。 顧客紹介屋です。 御用命はありませんか?」
顧客 「ナンボや?」
底辺 「ウチは融通効きますよ。 そんなにガツガツ言うタイプでもないんで。」
このレベルの勧誘でも、普通に周囲の大人は相手にしてくれたし、幾許かのカネにもなった。
営業トークは、手短に自身の商売のギミックを解説する(出来れば好印象を与えつつ)為の手段であるべきなので、
会話の練習をするよりも先に、自分のビジネスを簡略に解説した定型文を作成した方が円滑な営業に直結するのである。
相手の知りたい事は、こちらの業務内容・料金体系・遂行能力であり。
会話はこちらの提案の真偽を探る事を目的として行われる。
(本当に客を紹介する能力があるのか? ちゃんと実績はあるのか? 後からの増額を企んでいるのではないか? などなど)
故に、営業先で聞かれる内容はその気になれば想定出来るものばかりである。
会話能力が乏しい事では契約は切られないが、想定不足は商談を打ち切られる大きな要因となる。
例えば、『物を売りに行ったのに返品や交換に関する質疑を全く想定していなかった』と云うケースであれば、
その場で追い返されても文句は言えない。
多くの事業者が内心密かに欲している「会話力」とは、相手をその場で巧妙に言い包める才能や、自らの不備を自然に糊塗する弁舌能力かも知れない。
だが、それらは成育環境や知能指数も含めた天性の物なので、簡単な訓練で身に付ける事が出来るとは思えない。
それならば、自分の事業を練り抜き市場を調べ尽くして、自身のビジネスを更に知悉した方が遥かに円滑な会話を行う事が出来る。
今の所、底辺は業務知識を超える話術などを見た事がない。
どんな会社でも、最高の営業マンは社長である。
何故なら、決裁権を持っている上に業務知識が一番優れているからである。
(決裁権を持った人間が決断能力が無い上に業務知識すら乏しい会社があるとすれば、その企業の業績は落ち続けるだろう。)
起業者が痛苦なく営業したいと心掛けるならば、自身のビジネスを更に知悉し、より多くの質問を想定し続けるしかない。
それが「会話を上手に行う唯一の方法」である。
同調圧力のところは目から鱗が出た
2014年3月19日 9:56 PM | 匿名 |
公式が掛け算になってるところもポイントなんでしょうか
どっちかがゼロなら何やってもゼロっていう…
2014年3月20日 1:24 AM | 匿名 |
演出や権威を同調圧力と定義する貴方がステキ。
2014年3月20日 5:09 AM | 1000$ |
私、接客はバイト程度にしかしたことないけど、自分が顧客に話すのと、
自分が顧客の立場で何かを話すのではたしかに前提が全く異なりますよね。
「ジャパネットたかた」の社長は自分の取り扱う商品を熟知してるからあれだけ喋れるんですよねー。
ある意味、自分で商売をして自社の取り扱い製品やサービスや保証範囲を自分で熟知して営業するほうが、
顧客と自分の会社の間にはいって、調整する営業マンよりも、やりやすいという人は少なくない数いるような気がします。
2014年3月20日 12:54 PM | 匿名 |
底辺氏は高校卒業後公務員になったんじゃなかったけ?
2014年3月21日 7:32 AM | 特になし |
9:56様へ
書いてて「極論かな?」とは思っていましたが
表現が挑発的過ぎたかも知れません。
1:24様へ
どっちかがゼロと云うのはたまに見かけますね。
誰とは言いませんが
1000$様へ
的外れではないと思うのですが・・・
12:54様へ
自分が顧客の時は基本的に「質問者」のスタンスじゃないですか。
でも事業を始めると、自分は「回答者」でなくてはならないのですね。
当然、真面目に勉強をしてないと「回答者」にはなれない訳で。
陳腐ですが、自身の領域について学び続ける事が、事業者が円滑に会話するコツだと考えて今回のエントリーを書きました。
特になし様へ
申し訳ないです。
18と書きましたが、実際はもっと遅かったです。
早くに退職したので。
2014年3月21日 1:18 PM | teihen |
あ、指摘ではなく着眼点が凡愚たる自分とは違うなぁと毎度のことながら関心しておる次第です。
2014年3月22日 1:56 PM | 1000$ |
1000$様へ
奇矯なだけですよ。
賞賛には値しません。
ですが、誰かのお役立てれば嬉しいです。
2014年3月22日 11:20 PM | teihen |
「話が苦手だと雄弁に語る相談者」みたいなお話は面白い
この手のエピソードなどもっと読みたいです
あまり具体的に言うとコンサル商売の内容に触れてしまうんだろううけど
2014年3月24日 5:30 PM | 匿名 |