李傕と郭汜の黄金コンビの破滅から僕らが学ぶべき事

無題


董卓仲穎は漢史でも屈指の暴君と評される。

中国共産党の暴政を目の当たりにしている底辺としては、

それ程突出した悪人にも見えないのだが・・・

 

本朝において蘇我入鹿が、

「董卓の暴慢既に國に行なはる」

と藤原氏に評されている程なので、

古代の時点で既に、テンプレとしての悪役像が確立していた様だ。

 

 



 

さて、今回のエントリーでは、

董卓の股肱である李傕と郭汜の話をする。

董卓仲穎が呂布に殺害される場面は、三国志序盤のクライマックスであるのだが、

董卓死後は、数多の三国志物語で

劉備や曹操の行動にスポットライトが当たり、

その後の都洛陽がどうなったかは、あまり語られていない。

 

董卓死後に活躍するのが、

董卓とは同郷(涼州人)の李傕と郭汜である。

この二人は偉大なるリーダーを喪失した涼州軍閥を支え、

卓抜した戦闘力と蛮性で覇権を維持し、

そして自壊する。

 

故になのか、

歴史的には評価されていない。

華夷史観に因らずとも、彼らの生き様があまりに夷に傾斜しており、

人格的にも野蛮・短絡であり、

尚且つ失敗者であるからだ。

 

 

もっとも、底辺はこの二人を評価する。

例え一時であっても、彼らが自身の才覚と度胸で政権を奪取した事は事実であるし、

戦績においても、三国志時代の群雄である、呂布・馬騰・劉焉・袁術・羌族に勝利しており、

官職においては大司馬・後将軍の座を獲得している。

もっと、高く評価されてもいい人物であると思っている。

 

 

何より、ライフハック的な意味で、

この二人からは得られる教訓が多い。

 



 

李傕と郭汜は、軍人として同僚である以前に、幼馴染であった。

友達同士で天下を取ったのである。

長安制圧に成功して暴虐の限りを尽くしている間も、

互いの宿舎に泊まり合い、合同酒宴を連日開く仲睦まじさを見せている。

無論、軍人として敵を殲滅する時のコンビネーションは抜群で、

長安を狙う馬騰・劉焉(こいつら三国志のゲームじゃ、端っこの有利を活かしていつも最後まで残る)を一蹴している。

 

 

底辺のエントリーに 

社会人になってから友達を作る最も簡単な方法」 

と云う文章があるのだが、

これは、社会人になったら友達は出来ないので

「作ろう」と云う意味も多少は込めている。

大体、大人になったら人間関係のどこかに必ず金や打算(意識・無意識を問わず)が絡んでくるので、

それを友達と呼ぶのは、人間として配慮に欠ける思考なのではないだろうか。

底辺は打算屋を自覚しているので、罷り間違っても人様を友達呼ばわりしない。

そんな失礼な事は底辺には出来ない。

 

 

李傕と郭汜は、戦闘センスや残忍さや軍事経験や英傑・董卓の薫陶以前に、

「友達」と云う最高の財産を持っていた、故に短期間とは云え栄華を勝ち取る事が出来たのだ。

この二人が、偶々ウマの合う軍閥の同僚程度の信頼関係であれば、

そもそも、長安の征服・維持・防衛は不可能であっただろう。

 

 

さて、暴虐の限りを尽くして董卓以上に恐れられた李傕と郭汜だが、

意外な敵によって破滅させられる事になる。

郭汜の妻である。

郭汜は親友であり共同統治者の李傕の宿舎で連日の饗応を受けたが、

それが郭汜の妻の疑念と妬心を招いた。

「李傕が夫に妾を与えているのではないか?」

と。

 

 

 

 

・・・そりゃ、与えるだろう。

李傕・郭汜軍は「男は皆殺し・女は全て攫う」の軍事方針で勝ち続けているのだから、

宴席に戦利品(女)は当然並べた筈だろうし、

親友であり、戦友であり、共同統治者の郭汜に対して、李傕は特上品を与えない訳がない。

普通は与えるだろう?

ましてや李傕は蛮度の高い男社会でリーダーに君臨する男である。

その常識として、普通は与える、エチケットとして略奪した女の特上品を戦友に与える。

また、李傕は少帝(献帝の兄・董卓に廃された皇帝)の后に妻となる事を強要し、

拒絶されると惨殺する様な女性観・倫理観の持ち主である。

絶対に、郭汜との宴会で女を提供しただろう。

 

 

 

郭汜の妻は、

夫が李傕と親交を結び続けている限り、

妻の座を奪われる日が必ず来るだろうと恐れ、

郭汜が李傕を猜疑する様に、日々讒訴を続けた。

ついには、味噌で偽の毒薬を作り、李傕から贈られた食膳の中に仕込んだ。

それを郭汜が食べる直前に取り出してみせ、「一つの巣に二羽の雄鳥は並び立ちませんよ。」と郭汜に吹き込んだ。

ここまでされて、郭汜はようやく盟友・李傕を疑うようになった。

やがて涼州軍閥は李傕派・郭汜派に分かれて壮絶な内乱を始める。

互いを知り尽くした、最強涼州軍閥ツートップ同士の争闘である。

一進一退の激しい攻防が行われ、涼州軍の著しい弱体化を招いた

その後、涼州軍の同僚である張済(曹操を奇襲して曹昂・曹安民・典韋を殺害した張繡の族父にあたる)の仲裁で和解するも、

献帝を李傕の元部下の楊奉(黄巾党の分派である白波賊の頭領)に奪われると、

郭汜は自軍を棄て李傕の元に参じ、再び共同で楊奉軍を壊滅させる。

(こいつら本当に仲良いよな・・・)

最終的に献帝は洛陽に戻り、

皇帝カードを失った李傕・郭汜軍は急激に求心力を失い、

(拠点となる筈の長安はこの二人が廃墟にしてしまったからな・・・)

討伐されて、李傕は三族諸共皆殺しにされる。

郭汜は長安を脱出するも部下に裏切られて殺された。

その妻の末路に関して底辺は知らないし興味もない。

 

 



 

 

どんなに優良なビジネスパートナーでも、絶対に友達にはなれないものだが、

逆はあり得る。

現に李傕・郭汜はそれを体現してみせた。

軍隊や位階や金銀財宝や女等より遥かに価値のある、

「友達」と云う財産を彼らは持っていたのだ。

そして、その優位を失った瞬間に彼らは破滅した。

 

 

戦争やビジネスに勝利すれば、

女なり地位金等は幾らでも付いてくる。

それは人類の歴史が証明している事である。

だが、己が勝てば勝つほど、

富めば富む程、名を挙げれば挙げる程、

新規に純粋の友人を作るのは難しくなる。

(絡む打算も比例して大きくなるので)

友達は一番大事にする事。

その疑念が、讒言に因るものではないか必ず確認すること。

女は代替可能である。

だが、友人に替わりは居ない。

それが大人になってからも己の業種で共闘出来る友人であれば、

天文学的な確率でしか巡り会えない天恵である。

 

 

 

女性に対するアドバイス?

女の事は女に聞け。

言わなかったかも知れないが、底辺の性別は男であり、

違う生物に対して知ったような顔で人生指南を嘯く様な下衆では無い。

 

 

 

どうか優先順位を間違えないように、

今、貴方が貴重だと錯覚している物の大半は、勝利すれば容易に手に入るものばかりだが、

友人だけは、勝てば勝つ程手に入らなくなるものであるからだ。

(代わりに自称友人は増えるかも知れない)

 

 

 

友人の居ない底辺に語られても説得力が乏しかったかも知れないが、

その分、底辺は弟を尊重し、共に語り合っている。

貴方も、打算の必要無き友人をどうか大事にして欲しい。

 

 

 

 

 李傕・郭汜の冥福を祈る。

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8件のコメント

  1. 匿名

    この二人に関する記事なんてはじめて読んだ。   しかも面白い

  2. 匿名

    男の仕事の邪魔する女おるよなあ。
    接待も仕事やっちゅーねん

  3. 匿名

    よし、底辺君ともだちになろうぜ!

  4. 匿名

    リカク・カクシの冥福を祈ったのは底辺氏が史上初ではなかろうか?
    この二人に対して好意的な文章を始めて読んだ。
    バトウや呂布に勝ってるって凄いしな

  5. 匿名

    や、董卓死ぬ前からならず者としか言いようがない事績が残ってるし、
    樊稠殺してる時点で仲間を大事にしない奴ってのはバレバレだし、
    女が絡もうが絡むまいがこいつらには破滅の道しか残ってないよ
    危機管理の天才・賈詡がさっさと逃げた時点でお察し

    あと、彼らの強さは涼州兵の強さであり、董卓の築き上げた組織の強さだろ

  6. shinkai

    >軍隊や位階や金銀財宝や女等より遥かに価値のある、
    >「友達」と云う財産を彼らは持っていたのだ。
    >女は代替可能である。

    女を戦利品としか見ない蛮族でも
    子供を産むのは女なのだから、恩師や友達の娘は大切にするはず。

    底辺生まれで美女ならばこの考え方で間違いないw

  7. 素晴らしい

    いい話を聞けました。今日はよく眠れそうです。

  8. Name *

    底辺を自称してる割にプライドの高さが随所に見て取れるのが面白い記事

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