ノマドになりたい人が知っておくべき、たった一つの事実  『ノマドとは業務形態であり職種ではない。』


『ノマドとは業務形態であり、職種ではない。』

この事実さえ理解していれば、ノマドを志望しても問題はない。

 

弊ブログは、リモートワーク・ノマドワークのメリット・デメリットについて多くを語って来た。

それなりに底辺が思う事は伝えれたとは思っている。

このエントリーでは改めてノマドの定義・在り方について掘り下げて語りたい。

もしも貴方が誤解をしたままノマドワークを目指すのであれば、修正して欲しいと思い筆を執る。

 

 

 

 

 

遊牧民の仕事は「牧」であって、「遊」は「牧」の為の手段の一つに過ぎない

 

 

 

御存知の通り、ノマドとは英語で遊牧民(或いは放浪者)を意味する言葉である。

 

遊牧民とは、ざっくり言うと非定住の牧畜民である。

イメージとは異なり、自給自足の社会構築をしておらず、自らの生活を補完する定住民の存在を必要とする。

※定住民の存在を前提とした、農耕社会成立以後に生まれた比較的新しい業務形態である事も付け加えておく。

 

彼らの生業は牧畜や狩猟や交易であり、移動そのものは生業ではない。

繰り返す、【移動そのものは生業ではない】

牧畜や交易や狩猟で生活する上で、移動生活のメリットが定住を上回っていた場合に彼らは遊牧した。

故に遊牧は手段であって目的ではなかった。

彼らの目的は、生業である牧畜や交易や狩猟による利益を最大化する事だったのだから。

 

 

 

話は現代へと飛ぶが、その原理は変わらない

 

さて、現代ノマドの話。

ノマドと云う職種は存在しない。

自らの業務をノマド的手法によって遂行する者達が存在するだけである。

 

よってノマド志望者は

「ノマドになりたい!」

ではなく

「ノマド的に生活する事を可能にする職能を身に付けたい!」

と願って欲しい。

 

ただこれだけの意識の持ち方の違いが、貴方のレベルを数段階向上させる。

遊牧民達は、畜産・戦闘・交渉術と云った実需性の高い職能を身に着けていた。

(彼らは合理的なので、保有する家畜もヤギ・ヒツジ・ウマと商品性の高いものばかりであった。)

 

現代ノマド(志望者も含めて)が修得すべきスキルも同様である。

まず、定住民(ここではノマドの対義語としての意)が欲する商品・サービスを保有する事が現代ノマドの第一目標となる。

 

 

「では、そのスキルとは何か?」と云う話もしておく。

解り易い所では、語学・IT・医術。

これらを挙げた理由は、サービス単価が高く普遍性があるからである。

(語学の補助性やITの陳腐化については、ここでは割愛する。 いずれ機会があれば語りたい。)

 

別に医者になれとか、英語をマスターしろ、とか言うつもりはない。

最初に大枠を理解しておかなければ、何を学んだところでモノにはならないと云うだけの話である。

 

 

 

そして、下記に並べたように。

 

・ユダヤ教徒が得意とする金融・宝石・美術品鑑定。  (高付加価値性)

・漢民族が得意とする料理・理容。   (汎用性)

 

この2民族の生計の立て方は必ず頭に入れておいて欲しい。

彼らは生存戦略が異なるので得意分野がややずれるのだが、その差異を考える事こそが貴方の指針となるので観察し続ける事。

 

 

 

デジタルノマド志望者へ

 

技能を持って各地を巡る職業形態などは昔から幾らでもある。

例えば、包丁一本で渡り歩く料理人の在り方などは、完全にノマドのそれである。

 

ただ、IT革命以後の「ノマド志望者」は、その多くがデジタルノマドを志望している事を底辺は皮膚的に知っている。

(ノマド志望者に「じゃあ、料理人になればどうでしょうか?」と振ると、「そんなのじゃなくって!」と強く拒絶され続けて来た。)

なので、デジタルノマド志望者に対しても語っておく。

 

「完全にIT化された職能者は移住する必要がない。

故に貴方が目指しているのは遊牧民ではなく、農地を持ち歩く事も出来なくはない農夫である。」

【出来なくはない】というのが、貴方に伝えたい部分である。

執拗に繰り返してしまって恐縮だが、「持ち歩き可能」である事は、一手段であって目的ではないのだ。

 

旅行先で仕事が出来る!

自由に住む場所を替える事が出来る!

好きな時間に寝起き出来る!

 

との甘言を弄してノマドセミナーに誘う業者が乱立する昨今ではあるが…

少なくとも底辺と関わりのあるデジタルノマド達は勤勉な者ばかりであるので、仕事と旅行と云う道楽を混同する事を嫌っている。

(出張のついでに観光位の事はしているが。)

勿論、不要な引越をする者も見かけないし、自己管理能力が高いので寝るべき時間に就寝して起きるべき時間に起床している。

彼らは農夫の様に勤勉である。

ただ、商材・サービスの性質上、移動生活も可能であるだけである。

 

どうか、この一事を覚えていて欲しい。

本エントリーの趣旨は一貫して、手段と目的を混同してしまう事への戒めである。

(セミナー屋・商材屋はそこら辺を巧妙にすり替えて来る事も念頭に置き続けて欲しい。)

繰り返す。

ノマドワークは形態であって職種ではない。

 

故にノマド的な生き方を志向するならば、まずは既存の産業社会から需要のある商品・サービスを生み出す能力を身に付けるべきである。

遊牧民族がその生存に周辺の農耕民族との関係を必要としたように、デジタルノマドが生存する為には既存の産業社会との密接な関係が必要とされるのだから。

また、遊牧民が徹底して換金性の高い技術・所有物に拘った様に、貴方も『換金性』を突き詰めて考えて欲しい。

 

キャラバンを組むか否かは意見が分かれる所である。

だが、明らかに強い者・有能な者と出逢った時に、「自分に何かできる事はないか?」と尋ねる癖を付けておくと生存率が高まる。

 

人類史にデジタルノマドが発祥して、まだ数十年。

正解などなくて当然であるし、この在り方が人類の生業の一種として定着する保証すらもない。

但し、我々には偉大なる父祖達の足跡を学ぶ事が出来る。

少なくとも非デジタルノマドの盛衰やその詳細をデジタルを通じて学べる位置にいるのだ。

 

よく学び、自らを洗練し続けよう。

遊牧概念が紆余曲折を経て現代グローバルビジネスに継承されている様に…

今日の我々の試行錯誤こそが人類の未来の礎となるのだから。

 


 

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13件のコメント

  1. やす

    今回のお話もありがとうございました。
    遊牧民の話は素晴らしく、思わずひざを叩きました。今後も研鑽を積んでいきます。

  2. 1000$

    出社、通勤を仕事モードにするためのスイッチ機能として活用している以上
    ノマドにならないほうがいいでしょうね。

    そもそもどんな職種を選択するかが重要であって、ノマドはオプションなんですよね。

  3. teihen

    やす様へ

    やや極論でしたが、何かの形で目を通して頂いた方のお役に立てれば嬉しいと思っています。



    1000$様へ

    これは私見なのですが、レベルの高いノマドワーカー程、自室を上手く要塞化して円滑に仕事を進めているように見えます。
    「ノマド」と云う言葉の定義から組み直した方がいいかも知れません。
    マスコミが描写する「カフェノマド」なんか、『視聴率の為の絵』に過ぎませんし。

  4. 矛盾

    漫画家の荒木飛呂彦氏が、かなり昔に、
    「親や友人からの電話に対し、早めに切り上げようとすると冷たいと言われてしまうけど、いつまでも話していたら仕事が進まないことを何故、わかってくれないんでしょうね」という内容のコメントをしていたことを思い出しました。
    この人は、
    ノマドで時間が自由になるから、こちらの都合に合わせてもらって当然だ

    という前提で接して来る周囲の人たちへの対処法や、
    オンとオフのスケジュール調整がより、厳しいんだろうなと思います。
    プライベートで旅行へ行っても
    いつ仕事の連絡が入るかわからないから
    のんびり温泉にも入ってられないのかな。。。とか。

    業者の、電話代行サービスなんてのもありますけどね。

  5. 矛盾

    あ、ちなみに、上の荒木飛呂彦氏のコメントは、
    ジョジョの奇妙な冒険
    のコミックスの表紙の織り込んだところ
    の作者からの一言コーナー
    にかいてあったのです。

    何巻だったかは、今コミックスが手元にないのでわかりません。
    公開されていた内容には違いないんですが、
    あんまり、記憶のみで発言すべきじゃなかったかなー、と反省中です。。。
    (記憶、というのは曖昧なものなので)

  6. 1000$

    なるほど、
    私の場合、自宅兼事務所ですが物置をオフィスにしています。
    自室は衣食住のみですね。
    書斎とはよく言ったものです。

    カフェノマドがカフェでしていること……ウェブサイトの管理や電子書籍の執筆ぐらいしか思いつきません。

  7. teihen

    矛盾様へ

    どうしても少数派のワーキングスタイルは理解され辛いからですね。
    荒木氏の様に、折に触れ自分の事情・心境を語っていくのは適切なアプローチかも知れません。



    1000$様へ

    結局、自分の作業効率を少しでも向上させる方向に行きますよね。
    ただ、移動による副産物があるリモートワーカーの方には頑張って欲しいと思っております。

  8. Y.T

    知人がジョジョの大ファンで、荒木先生の仕事スタイルを聞きました。

    制作はキッチリ時間を決め、必ず毎週の休みを作り、インプットの時間も確保するのを徹底してるそうです。
    このスタイルも、若かりし頃にこち亀の秋本先生に、長期連載の秘訣として伝授されたそうです。
    自己管理能力が安定生産に不可欠だと、よく分かる話でした。
    (ちなみに、知人も電話の話はあった気がすると言っていました)

    自分もですが、オン・オフ切替とそのための環境(要塞)づくりは、難しく、必要な課題だと感じています…。

  9. teihen

    Y.T様へ

    荒木先生の姿勢はフリーランサーにとっては学ぶべき部分が多いですよね。
    作品中に出て来る岸辺露伴と云う自己投影キャラを見るだけでも、彼の自己管理志向は強く伝わってきます。

    一カ所に引き籠ることが必ずしも最善ではないとは思いますが、己の拠点は日々高性能化したいですよね。

  10. Name *

    岸部露伴って、初めて登場したときは、
    だいぶ危険人物にみえたんですけどね(笑)
    なんでこんなヤバい人が、吉良吉影同様に、承太郎たちの粛清対象にならないのか疑問でした。

    でも、元はといえば、広瀬康一たちが
    ファンだからって岸部露伴の家におしかけるというストーカー行為を働いたから
    岸部露伴のスタンドの被害に遭ったんですよね。

    山岸由花子のストーカー行為に
    辟易した広瀬康一が
    今度は無自覚ストーカーをしたから
    痛い目を見てしまったんですね。

  11. teihen

    6:07様へ

    今思えば、学生視点でのフリーランス像を描いたのかも知れませんね。
    「このおっさん、昼間から何をやってるんだろう?」
    みたいな違和感を自戒を込めて荒木先生が描写したのだったら面白いですね。

    私も良い露伴になれるように精進します。

  12. Name *

    転売屋始めて2年になりますが気づけば狩場が東日本全域に広がり、ぶらぶらしてるんだか仕事してるんだかこれも一種の遊牧なんでしょうか。

    膨大な運転時間をなんとか金にできないもんですかね‥
    かといってライドシェアとかやだなー

  13. teihen

    1:01様へ

    私なりに提案させて頂きますと、
    「転売と併用して行えるビジネス」
    を増やす事を推奨します。

    遊牧民が牧草地から牧草地へ移動する片手間に狩猟や交易に勤しんだように。

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