トルコリラ情勢についての現地レポート (2018年9月版)


前回の記事でトルコリラについて触れ、底辺自身もトルコ民話のアニメを制作していることから、現地情勢はとても気になっていた。

英米系のバイアスが掛かった情報ではなくトルコ国民の生の声が聴きたかったので、イスタンブール在住の日英土翻訳家フセイン氏(30代男性)に一問一答式でインタビューしてみた。

ここに公開しておくので、関心のある方は目を通してみて欲しい。

(底辺の質問者としての技量が低いので大したことは聞けていない)

何かの役に立てば嬉しい。

 

 

 

トルコリラ暴落について現地から報告

 

 

西暦2018年の8月半ばにトルコリラが暴落した印象がありますが、それ以前の経済状況をお聞かせ下さい

 

トルコリラの最近の暴落が、ブランソン牧師の逮捕が原因だと言われていますが、それ以前も、トルコリラがだんだん落ちて行っていました。

トルコでは、トルコリラが暴落している」いう表現より、ドルが高くなったと言われています。

アメリカ人のブルンソン牧師(Andrew Craig Brunson)は、トルコの2016年のクーデター未遂に含まれたせいで逮捕されています。

このクーデター未遂のあとで逮捕された人たちの中に、数万人のトルコ人の軍人、公務員、教育者、学者、反体制派、ジャーナリストなども含まれます。

 

 

現在のトルコでの求人状況について。 アルバイトや社員募集は行われているのでしょうか?

 

マスコミではあまり出てはいませんが、社員募集はとても悪くなっていく状態だと思います。

リストラする会社も増えてきているようです。

これに加えて、給料をドルでもらう人たちも問題になっています。

トルコに外国からきたベビーシッターなどは、給料をドルでもらいたいので、それを払えなくなった家族がベビーシッターを務めることができなくなったと言うニュースなどもテレビに出ますね。

でも一般的に、政府が経済状況の酷さを隠そうと一生懸命頑張っています。

もっと事実を知りたい人たちは、ネットで政府反対のニュースサイトなどから状況を知るしかないですね。

政府が、銀行にあるすべてのドルを没収するかもしれないと言う噂も出ていて、そのせいでみんなパニックもしていました。

でもこの噂に答として、政府が「人々のドルを没収する予定なんか断じてありません」と発表しました。

それにしても、ドルに対して政府の対策はだんだん上がっていくようです。

たとえば先日、定期預金の利息の税金が上がりました。

この対策で、政府がトルコの人たちをトルコリラに投資させようとしています。

今の政府の味方のニュースチャンネルやサイトは、政府の対策が大成功しているって印象をあげています。

 

 

トルコは経済が大打撃を受けていると報道されていますが、全土・全業種に被害は波及しているのでしょうか?

 

トルコの輸出がとても低いレベルになっています。

それにくらべて輸入は増えていく状態です。

安いからジャガイモまで輸入するようになったと言われていますし、内戦シリアからジャガイモを輸入したって笑い話になっています。

それで今、ドルがこんなに高くなったせいで、ジャガイモ、たまねぎなど含めてなにもかも高くなっていく状態です。

ですので、トルコの全土・全業種が被害を被っているといっても、間違いないでしょう。

 

 

逆にトルコで今景気の良い分野や伸びている業種はありますか?

 

今のトルコに観光客が来ると、とてもお金持ちですね。

トルコリラの評価が半分くらいになったため、トルコに来る外国人は昔より2倍お金持ちです。

この理由で、トルコに多くの観光客がきたら、観光事業の得になるかもしれません。

 

 

この状況を利用して儲けてる人は居ますか?

 

とても珍しいですが、給料をドルでもらう人たちや、もともとドルを持っていた人たちは儲けていますね

車やパソコンとかも、直接輸入された商品なので、ドルが上がると評価がとてもあがります。

この理由で、自分のパソコンや車を売る人は儲けることができますね。

 

 

みんな手持ちのリラをどうしていますか?

 

トルコのみんなが、手持ちのリラをどうしたらいいのか、迷っているようです。

ドルの評価が不安定なため、今でもドルを買ったら得をするのか、それともこれ以上ドルが高くならないからなにもしないほうがいいのか分かりません。

先日、ショッピングモールで、携帯電話で喧嘩している女性の声を聞きましたが

「私が知るわけないでしょ?!いつあがるか、いつさがるかなんて」

など、と言っていました。

 

 

トルコは人口が増え続けていますが、内需は拡大すると思いますか?

 

トルコの人口が増えているのは確かですが、昔ほど早く増えていないとも言われています。

それに、人口が多くても、みんな海外の商品を使い続けるとあまり意味がないと思います。

実はこれに大して、大統領エルドアンは、iPhoneなどを買わないでほしいと、トルコの民族にお願いをしました。

その理由で、ネットでトルコ人がiPhoneを壊す動画など流れるようになりました。

でも、エルドアン反対の人たちは、こういう事をただの強がりだと思い、

「自分のお金で買ったiPhoneを壊すなど馬鹿なまねをして、アメリカに損をさせるとは思うのか?」

などと言っています。

それに、アメリカのものがどこでも使われていて、ただiPhoneではないので、これらは意味のない抵抗だとエルドアン反対の人たちはよく言っています。

これらに加えて、「新しいバーガーキングを開くのが禁じられた」などというニュースも報じられています。

でも実際は、McDonaldsBurgerKingやスターバックスが人であふれているし、私もこの記事の一部をスタバで書いています。

 

 

今のトルコで流行しているジョークや小噺を教えて下さい

 

エルドアン反対の人たちの間で多くのジョークや小噺が流れています。

知識の少ないエコノミストは、「トルコリラの状況を直すために何をすればいいのか?」と聞かれると

こういう下品な言葉で喋っていて、これは笑い話になっています。

 

「中央銀行が今やるべきことはこれだと思います。

俺だったら、パッと100億ドルを売るぜ。

そうしたらあいつらびっくりする。

その隙にもう100億ドルも売れば、終わりだぜ。

ドルの評価が段々下がっていく。」



 

 

2016年にロシアから穀物等の輸入禁止措置を受けましたが、その時と今ではどちらの方が打撃度は高いですか?

 

その件に付いて詳しく知っていませんが、ブランソン牧師の逮捕のあと、トルコとアメリカの間が悪くなったせいで、トルコはロシアに近づいたようです。

それに加えて、カタールがトルコに150億ドルの投資を発表しました。

でも少しの間、評価を取り戻したトルコリラは、また少しずつ落ちて行っています。

 

 

食生活に変化はあるのか?

 

食生活に今のところ、大した変化はなさそうですが、トルコリラの暴落の影響が少しずつ、すべての商品に移るのです。

なので、コンビニで買うパンや水や食料などが段々高くなっていく状態です。

インフレーションが40パーセントまで上がると言うエコノミストもいます。

そうなったら、人々の食生活も、もっと安いほうに変わるでしょう。

 

 

実は日本では、「トルコリラ投資ブーム」が悪質なマスコミ・金融会社によって仕掛けられ、「トルコリラが儲かる!」と吹き込まれて投資し財産を失った人が多くいます。トルコ人から見て、彼らはどう見えますか?

 

私は個人的に、トルコのサイトでこういうニュースが見ておりません。トルコのサイトで見たのは、下の感じのニュースでした。

「日本の主婦は、低金利のためにトルコの金融資産に投資したことを後悔しています。 渡辺夫人と呼ばれる日本の主婦たちは、新興市場通貨の損失を止めるために急いでいる。」

日本で起きているのは、これと違って詐欺でしたら、トルコ人の私から見れば少しびっくりすることです。日本人は、ビジネス世界でもいつも正直だと知っていますし、日本の人々がこんな詐欺にあったのは残念だと思いますし、すこしがっかりです。

 

 

トルコの若者は、現在どんな遊びをしていますか?

 

トルコの若者は、普通の若者の遊びをしているんだと思います。

この時代ですので、みんな携帯電話に夢中ですし、外で遊ぶよりパソコンで遊ぶ人の方がとても多いです。

田舎などは少し別かもしれませんけどね。

 

 

トルコでは何が不足していますか?

 

トルコが何もかも海外から買うようになりましたので、トルコのブランドなどが不足です。

テクノロジーの分野で企業家もとても不足しています。トルコの若者たちは、給料の安定した仕事を目指すので、みんな公務員になろうとしています。

このせいで、若者たちの才能がなくなりますし、アート、技術などは不足です。

 

 

トルコの輸出品でアピールしたい品目があればアピールして下さい (日本で宣伝しておきます)

 

Arçelikはトルコの家電メーカーです。

 



 

この会社は、耐久財、部品、家電製品とアフターサービスの生産と販売をしています。

その製品には、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、食器洗い機、アスピレーター、掃除機、コーヒーメーカー、ブレンダーなど、白物家電、電子製品、小型家電製品、キッチンアクセサリーなどがあります。

ArçelikBekoGrundigDawlanceAltusBlombergArcticDefyLeisureArstilElektra BregenzFlavelなど、独自の11ブランド名で製品を提供しています。

 

 




 

フセイン氏とは以上の遣り取りに加え、私的な往還で盛り上がった。

(アラビア語とトルコ語の「インシャラ―」の用法の違いなど)

フセイン氏に対して、トルコレポートや翻訳(土英日)や現地の動画・画像撮影などの依頼を希望される方は、底辺メールフォームまで。

 

同様のレポートを、ベネズエラ・アルゼンチンで行っているので

質問事項がある方も底辺フォームまで。

 

 

親愛なるトルコ共和国とその人民に幸多からんことを。

 


 

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10件のコメント

  1. 幸福賢者

    世界はあまりにも米ドルに頼りすぎており、それが新興国危機を招いています。
    米国はドルを輸出して代わりに世界中の富を収奪しているようなものです。
    たとえ今回の混乱が収まっても基軸通貨への依存を脱却しないことには、大国の機嫌次第で経済危機が繰り返されてしまいます。

  2. Keiichi

    なるほど。
    「広告」に踊らされるのではなくて、
    現地の生の情報を掴むよう意識することが大切ですね。
    それにしても、今、トルコに行ったら、ビールが安く飲めそうですね。
    トルコ語も面白そうですね。

  3. teihen

    幸福賢者様

    一番食い物にされているのは他ならぬアメリカ人達なので、多少の同情はしております。
    ただ現状の打破を最も強く望んでいるのも彼らの中の過激層なので
    どうしても現体制を崩したい場合は、アメリカ支援に見せかけてその過激層を支援することがベターでしょう。

    既に中国共産党が巨費を投じて実践しておりますが。

  4. teihen

    Keiichii様

    ネットが発達した現代。
    個人も直接的なアプローチを狙っていくべきだとは思っております。
    中々難しいですけどね。

  5. Name *

    トルコがやばいとは聞き及んではいましたが、底辺氏のレポートの通りなら、トルコのみならず俗に言う第三世界が全般的にトルコと似たような状況に陥っている、と見て間違いなさそうに思えますね。
    いつかは良くなる、というポジティブな将来感すら抱かせないであろう状況が蔓延している、というのも根深い問題かと思います。

  6. オーニシ

    なるほど翻訳家や通訳家の方なら、こちらが翻訳ツールを使って無理に外国語を使うよりも質の高い質問ができますね!
    しかし底辺さんがそちらに関心を寄せているとは…やはり儲け話というより、情報弱者救済の目的が強いのでしょうか。いえ、変化にはチャンスが付き物ということでしょうか。

  7. teihen

    2:48様へ

    そもそも世界は基本的にヤバいです。
    だからこそ、建設的な手法を生み出し続けるべきだと、私は考えます。
    現代は色々な新発明や新制度が次々に誕生している楽しい時代でもあるので、我々に成し得る打開策を模索していきましょう。

  8. teihen

    オーニシ様

    今回のリサーチは、前回の記事とワンセットの行動です。
    「広告は詐欺だ!」と叫ぶだけでは問題提起の投げっぱなしで終わってしまうので
    この様に情報収集の実例を提示してみました。

    無論、私の稚拙なインタビューを読んだところで、即効性があるとは思いません。
    ですが、「こんな手もある」ことを一人でも多くの方に気付いて頂ければ幸いです。

  9. ホタテ

    ・新生銀行が遂に、2018年10月7日(日)より、ATM手数料をステージ毎に差別化するみたいです。
    自分は、上のステージは無理そうなので、他の銀行を探してみます。(今まで有難う、本当に便利だった。)


    それと、意外に「ろうきん」、「商工なんとか?」が、ATM手数料や、他のサービスで凄く良かったのは驚きでした。。

  10. teihen

    ホタテ様

    レポートありがとうございます。
    参考材料の一つになりますね。

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