【shirobako】 天才・水島努に学ぶ人心掌握術 - 無限の地平はみな底辺

【shirobako】 天才・水島努に学ぶ人心掌握術

2014.11.11|ビジネス ライフハック 人間関係

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[shirobako]とは、現在(2014年11月)放送中のアニメ番組のタイトルである。

映像作品が完成したときにスタッフに配布される白い箱に入ったビデオテープの「白箱」をタイトルに据えている事からも解る通り、アニメ業界を描いた作品である。

タイトルの【水島努】とは、この番組の監督の事である。

(代表作に「撲殺天使ドクロちゃん」「大魔法峠」「げんしけん」「じょしらく」等。)

勿論、弊ブログはアニメブログではないし、底辺もアニメには疎いので細部は掘り下げない。

 

 

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美男美女揃いのshirobako

 

 

底辺はアニメ関係者の知己を数名しか持っていないので、アニメ業界人のルックスレベルは知らない。

ただ、shirobakoに限っては登場人物の美男美女率が異常に高く、加えて登場人物は全員が有能で実直で善良である。

 

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勿論、美しき善男善女ばかりではストーリーは進まないので、本作には舞台回しが二人存在する。

 

 

 

 トリックスター・トラブルメーカーの運用理念について

 

 

【木下誠一・監督】

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締切を守れない上に、どこか危機感に乏しく、木下監督の所為で制作スケジュールが大幅に遅れているように描写されている。

 

 

【高梨太郎・制作進行】

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無責任で身勝手、社会常識の欠如から会社に度々危機をもたらしている。

視聴者のヘイトを一身に集める役割。

大切な点は、放映初期に水島氏が「高梨太郎のモデルは自分である」と発表している点である。

 

無題

 

(実際に過去の水島氏が高梨的だった否かは重要ではない。 本人がそう表明したと云う事実が重要なのである。)

 

 

 

兎も角、上記の二人がポンコツな所為で、優秀なスタッフが苦労する。

と云う趣旨のストーリーなのである。

 

 

 

水島氏のメリット

 

正直、上手い話の持って行き方だと思う。

何故なら、自分をモデルにした【監督】【高梨】のみを悪役にして、他のスタッフに対してはその精勤ぶりとプロ意識を徹底的に賛美しているからである。

すなわち、(表向きは)泥は全て自分が被って部下や同僚を持ち上げているのである。

それでいて、実務責任者としての現場への牽制は全て作品に埋め込んでいる。

 

「フリーの人間はもっと納期を厳格に守ってくれ」

「新人は報連相をもっとちゃんとしろ!」

「原画と3Dは縄張り意識を持たずに連携しろ!」

 

該当するポジションの人間に対しては、リーダーとしての水島氏の指示が伝わる仕組みになっている。

また、この先自分の絵コンテが遅れたり、ギリギリの修正を命令する場合の予防線を張る事にも成功している。

勿論、脚本のどこにまで水島氏の意向が反映されているかを確かめる術はない。

題材が題材なだけに、本人も全てを吐露する事はしないだろう。

ただ結果として、この作品が見られれば見られるほど水島氏にとって有利に働く事は確実である。

これも人心掌握術の一環である。

 

 

 

 

我々は何を学ぶべきか?

 

 

水島氏は表現者である事を100%利用して、人心の掌握に努めた。

これはアニメ監督だけに採れる手法であろうか?

いや、違う。

日常を生きている限り、人間個々が意志・意見を表明する機会は幾らでもあるし、その一言一言が敵味方を産み出し続けている事も貴方が知っている通りである。

 

 

1、同僚・部下の褒めれる所は全て褒める。 

(好感度の獲得)

2、ピエロ役を他人に押し付けない。 

(身内からの無用なヘイトが生まれる可能性は作らない)

3、予防線として警告・叱責を語るときは、一般論・フィクションを使用して牽制。 

(身内が抵抗なく聞き入れやすい。 最初から注意点を意識させられる)

 

 

水島氏がshirobakoを作るに当たって意識している点は以上の3点辺りであろうか?

これはコミュニティを統制し、リーダーシップを固める為の典型的な術策である。

貴方がアニメ監督でなかったとしても、この様な意識を持っている人間の存在は意識するべきである。

敵は些細な日常の雑談や、書き殴っただけのつもりの備忘から生まれるものだからである。

 

 

ある程度の歳になれば、誰でもこの程度の知恵は身に着けて来る。

年配のアニメファンがこの作品を見た場合、底辺と同様の印象を水島氏に持つ事であろう。

所詮は、誰でも理解出来る事なのである。

問題は、これを自分自身の生活・生業に応用して落とし込めるような人間はあまり居ない、と云う点である。

だが、微小であっても当然応用方法は存在するのである。

それを発見し、試行錯誤しながら実践する事こそが「人間の成長」である。

 

 

 

 

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 娯楽作品としても純粋に楽しめる。

特に社会人の方には推奨出来る名作である。

コメント一覧
  • あー、とあるコミュ二ティに1人いるなぁ。
    トリックスターというから喧しい印象だけど、
    静かに佇んでいる感じ。


    2014年11月11日 3:15 PM | 1000$ |

  • 1000$様へ

    今回の話は好例の紹介です。
    お互いに身近な傑物を見習って、向上できるように頑張りましょう。


    2014年11月11日 10:45 PM | teihen |

  • 小中高では(2)に該当する人をよく見かけましたが、大学や会社ではかなり減りました。
    他人を出汁にして笑いをとろうとする系統の人は年齢にかかわらず、
    他のコミュニティでみることは割とありますが、不思議なものですね。
    何がすみ分け?みたいなものを作るのか。

    それにしてもウケるところを突いてくるキャラ設定ですね。


    2014年11月11日 11:11 PM | a |

  • え?他人から恨みを買わない?
    視聴者から「太郎お前は黙ってろ!!!」と罵倒されるたびに全国の太郎君はなんだか複雑な気持ちになることでしょう。

    今回の底辺理論から確実に言えることは水島氏の周りには太郎という名の人物はいなかったということである。


    2014年11月12日 12:20 AM | 匿名 |

  • a様へ

    中々、秀逸な設定ですよね。
    自分への警告だと思って、教訓として拝聴しております。



    12:20様へ

    「太郎」と云うポピュラーネームを使ったのも、誰かを連想させない為の配慮ですよね。
    私も今後の指針と致します。


    2014年11月12日 1:28 PM | teihen |

  • 底辺さんも最初っから「底辺」たることを公言して憚らず、
    一方でたまに匕首がちらちら見え隠れしたりするので、
    表面上の差異はあっても物事の本質はほぼ同じ、ということと思います。

    さて、この手のライフハックネタは、
    「他者に対する操作性」幻想を肥大させる作用が強く、
    本サイトが真に底辺層救済を主眼に据えているなら、
    非常に危険と思います。

    >問題は、これを自分自身の生活・生業に応用して落とし込めるような人間はあまり居ない、と云う点である。

    この問題の中に、底辺卒業の本質的な答えがあることを
    私は勝手に確信していますが、同時に
    底辺さんは底辺の愚かさを舐めないでいただきたいと思います。

    底辺は伊達に底辺ではありません。
    困難すぎる正答のうち、低脳な底辺向けに親切心から枝葉の部分だけを
    切り取ってライフハック化したところで、
    「他者に対する操作性」幻想で必ず底辺は大やけどを負い、より下層に転落する。
    だからこそ底辺は底辺なのだ、と愚かな底辺の一員として声を大にして言いたいです。

    ですが、大やけどを負い、より下層に転落し、誰からも省みられず、困窮しきった底辺に対し、
    優しい笑顔とともに底辺さんから救いの手が差し伸べられたとしたら…。
    底辺の救いようのない愚かさを鑑みるに、完成度の高い永久機関が出来上がりますね。
    そしてそれは底辺にとって幸せなことなのかもしれない、とも思います。

    駄文・長文、失礼致しました。


    2014年11月12日 11:47 PM | 匿名 |

  • 11:47様

    貴方の仰っている事は大筋で正しいと思います。
    私と異なっている部分は「結論付け」だけではないしょうか。

    操作される側の人間であれば、尚更操縦者の論理は知悉しておいて下さい。
    自分が底辺である事を自覚した上で、巧者が実践している底辺の操作方法も知るべきなのです。


    2014年11月13日 11:16 AM | teihen |

  • ご回答ありがとうございます。
    この種のテクは、
    ・短期的には成功するかもしれないし、しないかもしれない
    ・成功しても、慢心という副産物がもれなく付いてくる
    ・長期的に因果が巡ってくる確率は非常に高い
    本質的には悪手です。
    そのことは知りながら、とにかく今を生き抜くため、
    用法用量に留意しつつ慎重に使用したつもりで、
    痛い目をみた人間としてそう感じます。
    私の場合、「操作性」が浅い欲望と結びついたため、
    しくじりました。底辺らしい失敗です。
    いわゆる欲望は、一見、非常に醜い形態をしているから、
    つい、よほど己の深い部分から噴出しているかのように見えますが、
    錯覚ですね。実は底は浅いのです。
    私の印象として、この点については、底辺層はもちろん、かなりの
    巧者すら勘違いをしている節が見受けられ、それだけ厄介なものだと
    感じます。
    だから、底辺さんの仰るように
    ただ知るのではなく、「知悉」が大切というのは、
    私も同感です。

    難しいのですが、私の突破口はそこであり、
    他に名案もないし、仕方がないので取り組んでいきます。

    ご助言、本当にありがとうございました。


    2014年11月13日 10:13 PM | 11:47 |

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